荒巻 慶士
- UPDATE
- 2025.11.28
その他
手放すということ
数日間、旅行で東京を離れた。
パソコンなしでとも考えたが、まあこれだけはとにカバンに入れた。けれども、開く時間は決めることにした。今回は、仕事のことも気になる他のことも持っていきたくはなかった。
飛行機の中で、気になることは自然と思い浮かんでくる。離れようとするのを追いかけてくるようだ。それを塗りつぶすように黒く消した。ところが、抹消すればするほど、浮き出してくるようだ。
ため息をついて外を見る。窓からぷかぷかと浮かぶ雲を眺めた。ゆるやかに過ぎていく白い綿毛。流れのままに去るに任せる。手放すことをイメージしたら、自由になれた気がした。こだわらない、放っておく。
弁護士の仕事といえば、まずは、法を知り、その考え方を示して助言し、解決に向けた手助けをするというあたりか。他方で、この仕事に長いこと携わって思うのは、法に関わるさまざまなストレスから解放するという重要な役割がある。トラブルの渦中にあって、混乱する依頼者に負担を手放すことを可能にすることだ。
離れてみると冷静になれる。自分を取り戻すことができる。旅行もそういうプロセスか。貴重で大切なひとときであると知る。
