荒巻 慶士

UPDATE
2022.05.24

その他

住む場所を変える

 最近、転居をした。近くではあるが、荷物をまとめ、部屋をきれいにし、家具を整え、箱を開いて、収納することには、相当な労力を要することを改めて認識した。住所変更に伴う諸手続はまだまだ終わっていない。

 

 慣れているはずだがと思い返すと、これまで引っ越しの回数は20を軽く超えている。それぞれ相応の理由はあるが、生活をリセットしたくなるところもある。本や書類、衣類や食器、身の回りの品々を手に、処分・整理を決めて、身軽になると、気分も変わる。新たなことがしたくなってくるものだ。

 

 転がる石のように転々と、場所に囚われない生き方も悪くないと思い、あこがれたこともある。見慣れない景色、未だ知らない文化と出会う生き方。海外において実際に、そんなライフスタイルを貫いている人もあると聞く。その自由な視界には、どんな地平が広がっているかと思ったりする。

 

 目を転じれば、天災や戦争で意思に反して住み慣れた場所を離れなければならない人がいる。望郷を胸にした新たな生活が、未来を展望できるものであってほしいと願う。

後藤 慎吾

UPDATE
2022.04.11

その他

M&A

昨年夏から売主側のアドバイザーとして関与したM&A(企業の合併・買収)の案件が、先月、クロージング(決済)を迎えた。九州であった調印・決済式に立ち合い、関係者とプロジェクト成功の喜びを分かち合った。

 

私にとってM&Aは弁護士登録以来注力してきた分野の一つだ。

 

M&Aは、①秘密保持契約書の締結、②初期調査、③基本合意書の締結、④デューディリジェンス(企業価値調査)、⑤M&Aの障壁となる課題の解決、⑥株式譲渡契約等のM&A契約の締結、⑦クロージングという一連のプロセスを経て結実する長期のプロジェクトであり、弁護士は、いずれのプロセスにおいても、依頼者の最善の利益のために行動することが求められる。

 

また、弁護士は、例えば、デューディリジェンスにおいて、法的な観点から対象会社の問題点を検証し、また、株式譲渡契約等の交渉や検討の場面では、依頼者が契約に基づいてどのような法的責任を負うのかを分析することとなるが、それらの分析を行う前提として、対象会社のビジネスを深く知ることが重要である。対象会社の競争力の源泉は何か、業界の慣行はどのようなものかといった事柄について理解していなければ、法的な分析も見当違いなものとなり、交渉での自らの発言の説得力にも影響が生じる。これまで様々な業界のM&Aに関与してきたが、それぞれの案件に関与する過程で、自分が知らない世界に触れることができる点もM&A案件を取り扱う醍醐味だ。

 

M&Aは、それ自体が目的なのではなく、会社が存続し、成長するための手段にすぎない。買収の対象となる会社にとっては、M&Aは通過点に過ぎず、それを糧として今後どのように成長していくかが問われることになる。今回関与した案件の対象会社も、M&Aを契機として、さらに成長を加速していってくれることを願っている。

荒巻 慶士

UPDATE
2022.03.17

その他

つながっている

 この数週間、胸のつかえと心底のおりのようなものを感じて、寝ても起きても気が晴れない。ウクライナ情勢のことだ。

 空気の緩むこの時期に、連日死者の報道がなされ、3.11を控えて原子力発電所への攻撃が伝わる。この100年の歴史の教訓とは何だったのか。憂鬱の念に襲われる。

 

 振り返れば前兆はあった。ロシアに関して言えば、クリミア半島の併合を指摘されるが、例えば、このコラムでも取り上げた香港の非自由化・非民主化をなすすべもなく既成事実化された現実は、有無を言わせぬ隣国への侵攻につながっているのではないか。

 今こそグローバル社会における自由や民主主義の価値を確認し、強い関心をもってこれを守るためのコストを負担する覚悟が必要だろう。

 

 一つの光明は、SNSに見るような個人による現場からの発信や国境を越えた情報の連携である。かつてのように権力が情報を遮断し、民意を操作し切るのは難しくなっている。国を成り立たせている個人は、歴史から戦争の無益と悲惨を十分に学んでいると信じ、つながっていたい。

 

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