後藤 慎吾

UPDATE
2022.08.22

その他

自由

3年前の夏に取り掛かった書籍の執筆が先月ようやく終わった。
この間、酒も飲まず、遊びもせず、寸暇を惜しんで執筆に没頭した。

脱稿予定日の1週間前に盲腸になって入院するというハプニングもあった。この3年の心身への負荷が祟ったのだろう。

司法試験の勉強も3年を要した。合格しないと鬱々とした日々は終わらないので一心不乱に勉強した。今でも覚えているのは、合格発表のあった翌日に、池袋のパルコでボーダーシャツを買ったことだ。そのとき、ああ、これでようやく自由になったと思った。

この3年間も常に頭の中に執筆のことがあって心が休まる日がなかったが、今は、何の憂いもなく、読みたい本を読めるし、行きたいところにも行ける。やはり自由はいい。

荒巻 慶士

UPDATE
2022.07.27

その他

趣味か仕事か

 若いころは趣味を仕事にしたいと、一生懸命考えていた。

 音楽もその一つ。中学生のころドラムを始めて、バンドを組み、高校、大学とロック三昧の日々だった。好きなことを仕事にしたいというのは自然なことだし、大切なことだと思うが、職業となった途端に〝苦行(業)〟が始まるようでもある。

 

 今、時間を見つけて取り組んでいるのはゴルフ。なかなか上達しないが、時に飛び出す好ショットの快感は忘れがたく、四季折々の自然に触れられるし、コロナの時代に同伴者と一日を過ごせるのは素晴らしい。

 ところが、心を浮き立たせるスポーツも、もし自身に才能があってプロのプレーヤーだったなら、成績、ケガ…絶え間ない重圧・負荷に晒されるだろう。

 

 弁護士の仕事を楽しんでいるが、職業たるがゆえの厳しさは避けられない。逆に、趣味は趣味として広がる豊かさがある。

 近ごろ、以前所属した事務所の大先輩弁護士、庭山正一郎先生から、撮りためた写真をブログに公開したとの知らせをいただいた。ウェブページには、多忙な業務の傍ら、カメラに収めた世界の伸びやかさと充実ぶりがあふれていた。

 

後藤 慎吾

UPDATE
2022.06.29

その他

可塑性

最近はご無沙汰しているが、若いころは時折少年事件を扱った。

 

年齢や事件の内容などにもよるが、少年事件は、20歳以上の成人の刑事事件と異なり、弁護士は、「弁護人」としてではなく、「付添人」として活動を行う。また、刑事裁判所の公開の法廷ではなく、家庭裁判所の非公開の審判廷で審判が行われる。裁判所が下す決定も「判決」ではなく「保護処分」であり、その内容は、刑罰ではなく保護観察や少年院送致などである。

 

このように少年と成人とで違いが生じる理由の一つに、少年には「可塑性」があることが指摘される。広辞苑をみると「可塑性」とは「変形しやすい性質」をいうとされている。少年事件との関係では、少年は、成人に比べ、教育や環境調整次第で立ち直りを期待しやすいという意味で用いられる。

 

私が大阪で司法修習をしていたとき、泊りがけで少年院を訪れ、少年たちと生活を共にするというカリキュラムがあった。夏の盛りに、少年たちと農作業や運動をして一緒に汗を流したのを覚えている。私の前にいる彼らは、実に無垢な少年たちであった。私は少年の「可塑性」をそこに見た思いがした。

 

今年は、記録的に早く梅雨が明けた。彼らは今どうしているのだろうか。夏の青空の下で見た少年たちの日焼けした笑顔がふと脳裏に浮かんだ。

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