荒巻 慶士

UPDATE
2018.11.15

その他

音楽の魔力

 秋が来て、暮れにかけて、なぜか音楽を聴きたくなります。

 クラシックでも、ジャズでも、ロックでも、ジャンルは問いません。ただ、CDや端末ではなく、生の演奏が聴きたくなるのです。カフェなどでお茶を飲んでいても、流れている曲が気になり始め、偶然、目に触れたコンサートのチケットを申し込み、それでも当日を待ちきれず、この間の休日には急遽、近所の音楽イベントを探し出し、出かけてきました。

 そうして耳にしたサックスの音は胸にしみるようでした。

 

 思えば、高校、大学と、ロックバンドの活動に明け暮れ、当時はインディーズブームの走りで、ライブハウスに出演するほか、レコードを売り出したり、原宿のホコ天、下北沢や吉祥寺の駅前…と、街頭で演奏したり、コンテストに出場したりと、まさに音楽に狂った7年間でした。

 急に夜、衝動に駆られて、機材を山中に持ち込んで演奏し、パトカーが来てしまい、それでも大した問題にはならず、この手の話には割とおおらかな時代だったようにも思います。

 

 音楽には、こんなドはまりする魔力があって、当時の仲間には、自分の仕事を持つようになった後も、音楽を続け、今でも時折コンサートを開いたり、あるいはレコード会社に就職したり、中にはそのままプロになってしまった人もいます。わたしも、普段、楽器を演奏することはなくなってしまいましたが、たまたまどこかでかかっている曲を耳にして、スイッチが入ってしまい、イスやテーブルをドラム代わりに叩き出したり、頭を振り出して歌い出したりして、この人大丈夫?という目で見られることも…。

 同じような曲調の新曲を繰り返し出しながら、何十年も息長く活動を続けているミュージシャンっていますよね。

 

 もうすぐやってくるクリスマス。音楽なしには考えられません。

 音楽には、理屈なく引き込まれる何かが、たしかにあります。

後藤 慎吾

UPDATE
2018.10.10

その他

教えるということ

ある大手IT企業の法務部からの依頼で法務教育プログラムの企画・運営の仕事をしています。このプログラムの目的は「よりよい法律文書を作成できるようになる」というものです。私から月1回出題する企業法務に関する問題について、①数名の若手法務部員が答案を作成し、②私がそれについて添削を行い、③法務部員が私のコメントを前提に答案を修正し、④私が修正案について再度コメントをした上で、⑤最後に私が1時間程度のミーティングで①~④の過程で気づいた問題点などを踏まえて法律文書の作成法や法的な物事の考え方(リーガルマインド)などについてレクチャーすることになっています。さすがに、今を時めくIT企業の意欲にあふれた方々が受講者ですので、私の方でも、毎回、受講者の皆様にとって少しでも収穫のあるものにするために懸命に取り組んでいます。

 

クライアントやセミナー会社などから社内のコンプライアンス研修や外部セミナーの講師の依頼を受けることも多いのですが、できる限りお受けするようにしています。貴重な時間を割いて私の言葉を聞いて下さる受講者の方々に対して、わかりやすく、かつ、実務を行う上で有用な情報を提供できるようにするためには、私自身が、それまで身につけた知識をブラッシュアップし、また、理解が不足している事柄については様々な文献を読み込んだうえで、個々の情報をつなぎ合わせて体系化することが必要になります。普段の仕事で行っているリサーチでは自分自身が理解できればそれでよいわけですが、レクチャーの準備のためにするリサーチの場合には、それ以上のより深いレベルでの理解が求められることになります。たとえ自分が演題について豊富な知識や経験を有していると考えたとしても、今一度学びなおすことが当然の前提となるわけです。

 

というわけで、私は先述の法務教育プログラムやコンプライアンス研修などで講師役を一応務めてはいるものの、実はそこで最も多くの学びを得ているのは私自身なのかもしれません。クライアントにはこのような貴重な機会を頂けることに心から感謝しています。

荒巻 慶士

UPDATE
2018.09.24

企業法務関連情報

アウトか、セーフか

 ハラスメントの事案が増えています。

 

 その相談を時々受ける先の会社で、ハラスメントの防止に向けて社員を啓発するパンフレットを作ることになり、その内容をレビューして意見を述べる機会がありました。このほど完成した「ハンドブック」を送っていただいたのですが、多色刷りのしゃれた装丁で、イラストも豊富で読みやすく、適量であるのに内容も充実、見事な出来栄えでした。

 

 セクハラと聞いて、みなさんはどのようなケースを思い起こされるでしょうか。職場の力関係にものを言わせて性的関係を強要する場合? パワハラというと、気に入らない部下の仕事ぶりを毎日のように罵倒するといった場合でしょうか。たしかにこれらは典型例ですが、そんなのだめだなのはわかっているという方が多いのではないでしょうか。先に紹介した小冊子の特徴は、セクハラ、パワハラ、それぞれに多くの事例が掲載され、しかも割と微妙で、ある意味リアルな具体例が並んでいるところです。

 

 例えば、セクハラでいうと、「今日もかわいいね」という誉め言葉はどうかとか、取引先から、女性を連れてきてと頼まれたので部下に酒席に同行してもらった場合や、仕事が一区切りしたところで慰労のために部下を1対1で飲みに誘うケースなどが取り上げられています。いかにも現実にありそうな状況は、「パワハラ編」でも続きます。ミスを注意する際に、職場のほかの者をccに入れてメールで叱責する、「明日の有休は何するの」とチェックを入れる、などなどです。

 

 そんなこともできないの? うかつに注意もできないな、頑張ってもらおうとしただけなのに、ハラスメントといわれるくらいなら放っておこう…。そんな声が聞こえてきそうです。挙げられている事例も、常に必ずセクハラ・パワハラに該当するとは言い切れないもので、くわしい経緯・状況などによって、社会通念に照らして違法性が問われることになります。ただ、ハラスメントが懸念される場面であるといえるでしょう。

 

 形式的にこれはアウト、これはセーフと覚えても意味はありません。知らない場合はとりあえずやめておくということになれば、萎縮の弊害になりかねません。職場にはいろんな感じ方、考え方の人がいることを前提に、これって嫌がらせに至っていないか、自らの振る舞いをその時々の状況で考えてみることが大切です。

 

 さて、我が身を振り返り、自分の言動で秘書や同僚に不快な思いをさせていないか…。人間関係って、難しいものですね。

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