
後藤 慎吾
- UPDATE
- 2025.06.17
その他
彼岸過迄
久しぶりに夏目漱石の「彼岸過迄」を読んだ。漱石は、「彼岸過迄に就て」で「『彼岸過迄』というのは元日から始めて、彼岸過迄書く予定だから単にそう名づけたまでに過ぎない実は空しい標題である。」と述べている。同作品は、明治45年1月2日から4月29日まで朝日新聞で連載された。
お彼岸は、春分日(春分の日)と秋分日(秋分の日)を中日とする前後3日間の合計7日間の期間をいう。明治45年の春分日は3月21日だったそうだが、「彼岸過迄」の連載終了は4月29日であるから、思いのほか筆が進んで想定以上のボリュームになったのであろうか。
ところで、私も今、執筆に取り組んでいる。私がこれまで上梓した書籍はいずれも専門書だったが、今回は一般の方向けの法律入門書だ。原稿の締切りが秋のお彼岸が過ぎた今年の9月末に設定されているので、漱石に敬意を表して、この書籍の標題も「彼岸過迄」にしようかなどと考えている。