荒巻 慶士

UPDATE
2021.03.26

その他

また桜が咲いて

 3月は別れの季節だ。ただし、新たな出会いに向けて。

 当事務所の後藤弁護士は、父として卒業式に出席したといい、事務局の一人はお子さんの卒園式をまもなく迎えるのに、今から涙が出そうと話す。親としての感慨はどんなものだろう。

 自分の卒業式は相当に以前だが、沁みる心を抱えて、クールに振舞っていたと記憶する。

 

 3月には、なぜか災害を思い出す。

 東日本大震災から、10年経った。その前は地下鉄サリン事件(これは人災というか、犯罪だ)。そして、このコロナ禍は、もう一年もじわじわと続く持久戦だ。事務所近隣でも、久しぶりに訪ねて閉店したことを知り、しばし動けないことがある。

 あとは、経験したわけではないものの、東京大空襲を付け加えるべきか(これは戦争だが)。

 

 困難はある。ただし、克服されるべきものとして。

 諦めず、粘り強く、焦らず、立ち向かいたい。

 また桜が咲いて、そう念じている。

荒巻 慶士

UPDATE
2021.01.05

その他

絵をかけるべきか、かけざるべきか

 法律相談や打合せに使っている会議室の壁に絵をかけようか、迷っている。かけるとしたら、豊かで、静かで、それでいて力強いものがよい。

 けれども、何もない白い壁を見て、その潔さがまたいいと思ったりもする。

 

 当事務所のホームページを制作してくれたBRESTさんが、このほど、バーチャル・ミュージアム(https://in-art.jp)を始めた。ネット上の仮想空間にある美術館。訪ねて、会議室の雰囲気に合う作品もありそうだと見て回っている。

 わが事務所のイメージ・カラーはブルーだが、夜明けの海のようなものがよい。どんなものがしっくりくるのか、あれこれ想像するのも楽しい。

 

 またまた緊急事態宣言かという情勢になっている。昨年4月、5月の再来かと思うとげんなりするが、夜明け前の闇が最も深いと思いたい。

 申し遅れましたが、明けましておめでとうございます。

 今年が皆さまにとって素晴らしい年になりますように、お祈り申し上げます。

荒巻 慶士

UPDATE
2020.11.24

最近の法律関係情報

非正規格差に関する最高裁判決

 先月13日と15日に、雇用の非正規格差をめぐる最高裁判決が相次いで出された。結論をまとめると、退職金と賞与の不支給は不合理ではない、年末年始勤務手当、夏期・冬期休暇、年始勤務の祝日給、扶養手当の格差は不合理といったものである。しかし、結論だけを一般化するのは短絡的だ。

 

 重要なことは、判決を導いた考え方を理解することだ。

 これは、賃金の支払いや休暇の付与の趣旨・目的と働き方について整合性を個別に見ていくもので、その会社、その社員について具体的に検討される。私傷病欠勤についての有給・無給の差異について、13日の判決と15日の判決で合理性の判断が分かれたのも、一方は長期雇用が前提とされていない、他方は相応に継続的な勤務が見込まれていると判断されたためと考えられる。

 

 待遇差を検討するに当たっては、賃金や休暇などの待遇について、なぜそのような待遇をするのかを改めて問い直し、さまざまな働き方をしている社員それぞれに妥当するかどうかを吟味することが大切だ。

 そして、待遇の差異についての合理性が確かなものであるかどうかは、その検討結果について、それぞれの社員にわかりやすく説明できるかどうかにより、確認できると思う。

 

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